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ドクターズコラム

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2021.11.3

初期症状が見落とされがちな狭心症!そのサインや治療法は?

狭心症は食生活の欧米化・高齢化に伴い日本人での有病率も増えており、ドラマなどでも胸を押さえて倒れるシーンを見たことがある方は多いでしょう。放っておくと命に係わることもある危険な疾患ですが、病態・症状を正しく理解することで早期発見・治療に繋げる事が可能です。この記事では、狭心症の病態、症状や検査について紹介します。

<目次>

1.狭心症とはどんな病気
2.様々な自覚症状
3.気をつけたい人
4.狭心症かも?と思ったら。どんな検査があるのか
5.医師からのアドバイス


狭心症とはどんな病気

心臓は全身に血液を送るポンプとして働いていて、休まずに動き続けている心筋(心臓の筋肉)はたくさんの血液を必要とします。心筋に血液を供給する血管である冠動脈の流れが悪くなってしまう状態が狭心症です。冠動脈の動脈硬化が原因で起こるタイプ(労作性狭心症)と、冠動脈が痙攣・収縮する事により血流障害を生じるタイプ(冠攣縮性狭心症)があります。どちらのタイプでも、重度の発作は心筋梗塞を引き起こし、命に係わることもある危険な疾患です。

様々な自覚症状

狭心症に典型的な症状は胸部絞扼感と言われ、胸の締め付けられるような痛み、心臓が握られる、搾られる、胸の上に重いものが載っているなどと表現されることが多いです。左肩や喉元、下顎、奥歯の痛みなど胸以外の症状がでることもあります(放散痛)。

ただし、狭心症がある場合にこれらの典型的な症状があるのは1/3程度であり、1/3は疾患を特定しにくい、ごく軽い胸の違和感や動悸などで、残る1/3は全く無症状であると言われています。症状が軽いから、あるいは何も感じないから大丈夫とは言えません。「昔から心臓は毛がはえている程丈夫だと思っていた」という方、検査してみると重症の狭心症であったということも珍しくありません。医療機関で相談したり検査を受けてみることが大切です。

気をつけたい人

狭心症のうち、冠動脈の動脈硬化が原因となるタイプでは、動脈硬化リスク因子である高血圧、脂質異常症(コレステロール高値)、糖尿病、肥満などがある方はリスクとなります。冠動脈が痙攣・収縮するタイプではこれらの動脈硬化リスク因子がなくても、年齢が若くても起こります。どちらのタイプでも、喫煙は最大のリスクとなり、ストレスや極度の緊張・不安なども原因となることがあります。

狭心症かも?と思ったら。どんな検査があるのか

狭心症が心配になれば、一度専門の医療機関の受診をお勧めします。症状やこれまでの病歴などを参考にして、まずは心電図、胸部レントゲン、血液検査などの一般検査が行われます。そこから状況に応じて心エコー検査、ホルター心電図(24時間記録)、運動負荷検査など専門的検査へと進みます。さらに精密検査が必要な場合には心臓CT(冠動脈CT)や、入院しての心臓カテーテル検査が行われます。当クリニックでは専門的な診断から治療まですべてに対応します(CTや入院は医療機器共同使用や医療連携)。

医師からのアドバイス

狭心症を正確に診断するのは簡単なことではありません。症状や病歴から専門的検査まで含めて総合的な判断が必要になります。症状が軽くても無症状でも安心はできません。心臓に自信をもつのは、生活習慣を整えて医療機関で検査を確認してからにしましょう。


院長・医師 藤井 徳幸